Japanische Klassiker mit Furigana
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なかじきり
日本の文学 2 森鴎外(一)
Lesen Sie 日本の文学 2 森鴎外(一) (なかじきり) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.092 Zeichen · 45 Bildschirme
というをあとに聞きなしてしたがい行くに、ピラミイドのもとの園にて姫たちいま遊びの最中なり。芝生のところどころに黒がねの弓伏せて植えおき、靴のさきもて押えたる五色の球を、小槌ふるいて横ざまに打ち、かの弓の下をくぐらするに、たくみなるは百に一つを失わねど、つたなきはあやまちて足など撃ちぬとてあわてふためく。われも正剣解いてこれにまじり、打てども打てども、球あらぬ方へのみ飛ぶぞ本意なき。姫たち声をあわせて笑うところへ、イイダ姫メエルハイムが肘に指さきかけてかえりしが、うちとけたりとおもうさまも見えず。
メエルハイムはわれに向いて、「いかに、きょうの宴おもしろかりしや」と問いかけて答を待たず、「われをも組に入れたまえ」と群れのかたへ歩みよりぬ。姫たちは顔見あわせて打ち笑い、「あそびにははや倦みたり、姉ぎみとともにいずくへか往きたまいし」と問えば、「見晴らしよき岩角わたりまでゆきしが、このピラミイドには若かず、小林ぬしは明日わが隊とともにムッチェンのかたへ立ちたもうべければ、君たちの中にて一人塔のいただきへ案内し、粉ひき車のあなたに、汽車の煙見ゆるところをも見せたまわずや」