Japanische Klassiker mit Furigana
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なかじきり
日本の文学 2 森鴎外(一)
Lesen Sie 日本の文学 2 森鴎外(一) (なかじきり) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.092 Zeichen · 45 Bildschirme
狂いたるにはあらずやとおもわれぬ。されどこはただしばしのことなりき。姫の目はよくものいうのみにあらず、人のいわぬことをもよく聞きたりけん、分疏のように語をつぎて、「ファブリイス伯爵夫人のわが伯母なることは、聞きてやおわさん。わが姉もかしこにあれど、それにも知られぬを願いて、君がみ助けを借らんとこそおもい侍れ。ここの人への心づかいのみならば、郵便もあめれど、それすらひとりいずることまれなる身には、かないがたきをおもいやりたまえ」というに、げに故あることならんとおもいてうべないぬ。
入り日は城門近き木立より虹のごとく洩りたるに、河霧たちそいて、おぼろけになるころ塔を下れば、姫たちメエルハイムが話ききはててわれらを待ち受け、うち連れて新たにともし火をかがやかしたる食堂に入りぬ。こよいはイイダ姫きのうに変りて、楽しげにもてなせば、メエルハイムが面にも喜びのいろ見えにき。
あくる朝ムッチェンのかたをこころざしてここを立ちぬ。
秋の演習はこれより五日ばかりにて終り、わが隊はドレスデンにかえりしかば、われはゼエ、ストラアセなる館をたずねて、さきにフォン、ビュロオ伯が娘イイダ姫に誓いしことを果さんとせしが、もとよりところの習いにては、冬になりて交際の時節来ぬうち、かかる貴人にあわんことたやすからず、隊つきの士官などの常