Japanische Klassiker mit Furigana
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あべいちぞく
日本の文学 3 森鴎外(二)
Lesen Sie 日本の文学 3 森鴎外(二) (あべいちぞく) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 68.545 Zeichen · 140 Bildschirme
「わたしが久しい前から考えごとをしていて、お前ともいつものように話をしないのを、変だと思っていたでしょうね。もうきょうは柴なんぞは苅らなくてもいいから、わたしの言うことをよくお聞き。小萩は伊勢から売られて来たので、故郷からこの土地までの道を、わたしに話して聞かせたがね、あの中山を越して往けば、都がもう近いのだよ。筑紫へ往くのはむずかしいし、引き返して佐渡へ渡るのも、たやすいことではないけれど、都へはきっと往かれます。お母あさまとご一しょに岩代を出てから、わたしどもは恐ろしい人にばかり出逢ったが、人の運が開けるものなら、よい人に出逢わぬにも限りません。お前はこれから思いきって、この土地を逃げ延びて、どうぞ都へ登っておくれ。神仏のお導きで、よい人にさえ出逢ったら、筑紫へお下りになったお父うさまのお身の上も知れよう。佐渡へお母あさまのお迎えに往くことも出来よう。籠や鎌は棄てておいて、子だけ持って往くのだよ」
厨子王は黙って聞いていたが、涙が頬を伝って流れて来た。「そして、姉えさん、あなたはどうしようというのです」
「わたしのことは構わないで、お前一人ですることを、わたしと一しょにするつもりでしておくれ。