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Japanische Klassiker mit Furigana

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うつりが

日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江

近松 秋江

Lesen Sie 日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江 (うつりが) von 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.306 Zeichen · 300 Bildschirme

Aozora Bunko

あの時お前は、先の亭主は、それは深切であった、深切であったと、よく口癖のようにいっていたから、

「それはお前の先の亭主はそんなことをいってお前を可愛がったか知れないが、俺はそんなことをいうのは厭だ」

と、いって笑ってやったら、その時お前は気嫌悪そうな顔をしながら笑った。でも、やっぱりその柄が気に入らないからといって、せっかく私とその呉服屋の息子とで見立ててこれが好いときめた物を、また他なのを子僧に持って来さして比べて見た。そしてやっぱり先のがお前にも気に入った。それから早速仕立てて着て見たら、「あなた、これはなかなか好い柄ですよ。姉のところに着て行ったら、『好いのが出来たねえ』って、引っ張って見ていました」

そういったじゃないか。

お宮がそのとおりだ。

たかがセルのコートを一枚買うのに、いろいろ番頭の出して見せる品物を、

「ああこれが好い!」と、手に取り上げているかと思うと、後から変った柄のが出ると、

「ああこの方がいいわ!」そしてまたそっちに手を出す。

「じゃ、その方に定めたらいいだろう」と急くと、

「やっぱりこっちの方が好いわ」と、指を一本口の中に入れて考えたようにしている。