Japanische Klassiker mit Furigana
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にほんのび
日本の美
中井 正一
Lesen Sie 日本の美 (にほんのび) von 中井 正一 (なかいまさかず) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.126 Zeichen · 187 Bildschirme
自分の中にすら、それはあるのである)というのであります。
多くの場合、自分の詩、歌の姿は、何となく、一癖も二癖もついて、これみよがしにする態度、自分が自分でよいと思い、人にほめられた自分をまたしても自分がまねをし、そのまねをする態度に滞ること、すなわちマニエールを、彼は極度に嫌っているのであります。
定家は、この嫌うこころを、「万機もぬけ物にとどこほらぬ」といっています。すなわち、自分自身をありとあらゆる角度から、突っかい棒しているあらゆる「からくり」を、はらはらと取り崩して、中空に身を投げだすことであります。その物に滞らぬ、さわやかな世界を、彼はねらっているのであります。
その世界は、余情ふかく、捉えんとして捉えられず、味わいつくせざるものがあり、すずろに胸にせまりて、姿さびしく感嘆にたえざるものがみなぎると彼はいうのであります。かかる世界が、俊成、定家のいたらんとした世界であります。
人住まぬ 不破の関やの板びさし 荒れにし後はただ秋の風
「ただこの二字 かの御胸にありけることよ。あなおそろしや」と正徹はいっております。人の住まない不破の関の、荒れた板びさし、ただそこにげき然として声なく、ひそかな余情が、あらわれているのであります。