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Japanische Klassiker mit Furigana

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にほんのび

日本の美

中井 正一

Lesen Sie 日本の美 (にほんのび) von 中井 正一 (なかいまさかず) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 96.126 Zeichen · 187 Bildschirme

Aozora Bunko

その表現がここに企てられているのです。

中宮寺の思惟像(如意輪観音像)、そこに見られるこの時代特有の、流れるような美しさ、この美しさの中に動いている流動してやまないものが、何かきびしいものをもっています。裸の肩から、腕にあるすらっとすべるといいますか、切りさると申しますか、白い刃がひらめいたあとのような線の美しさがあります。

それはまた法隆寺の百済観音にも、光背の輪の頂きから、流れる衣紋のはしまで、ズーンと貫き透るものがあります。

私たちのこころのすみずみに、もやもやと、滞りなずみ、自分が自分のカスともつれあっているものを、きびしく、切ってすてるものが、それらの彫刻の僅かな、ひきしまった線の中にひそんでいるのであります。

東大寺法華堂の執金剛神は、大きな声で大喝一声、それらのもやもやしたものをふきとばす表情をもっているのでありますが、中宮寺の思惟像は、ただ、静かにほほえんでいるのに、この執金剛神よりもはるかにきびしく、私たちのはらわたの中を切りはらい、清めすすぎ、ふきはらってくれるのであります。

ただ、一本の線、腕から手を流れる線の中から、かかるきびしいものが、今の私たちに、じかに伝わってくるのであります。