Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんせつせん
日本プロレタリア文学集・8 葉山嘉樹集
葉山 嘉樹
Lesen Sie 日本プロレタリア文学集・8 葉山嘉樹集 (しゅんせつせん) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.935 Zeichen · 73 Bildschirme
汽車は静に動き出した。両方の乗降口に立っていた制服巡査は飛び下りた。
(畜生! 弁当も買えやしない。何だ、あれは、一体)
思わず、彼は深い吐息をついた。そして、自分の吐息の大きさに慌てて、車室を見廻した。乗客は汽車が動き出すと一緒に、長くなったり、凭れに頭を押しつけたりして、眠りを続けた。
(何者だろう? あいつ等は一体、護送されているのなら、捕縄をかけられていなけりゃならないんだのに。奴等は手ぶらでいやがった。解らねえ。俺には分らねえよ。「突破しろっ!」と、あの小僧奴怒鳴りやがった。何だって突破しろなんて云うんだ。「遁げろ」って何故云わねえんだ。何が何だかさっぱり訳が分らねえ。何分、いい度胸だよ。蹴飛ばしやがったな。ポコッと頭が鳴っただろうな。気持ちは悪くねえさ。いい気味だよ。ところで俺は、ええっと、どうしたらいいかな。この附近で一仕事為た方がよかないかな。何しろ、あんなにあそこに集ってる処を見りゃあ、外の処が手薄になってるに決ってる。それに、決ってる。それに近くでやりゃあ、あいつ等が目星をつけられらあな。そうだ。何でも構わねえ。此次に止った処で降りてやる。