Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんせつせん
日本プロレタリア文学集・8 葉山嘉樹集
葉山 嘉樹
Lesen Sie 日本プロレタリア文学集・8 葉山嘉樹集 (しゅんせつせん) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.935 Zeichen · 73 Bildschirme
私は、立ち上った。
腰を下していた行李を担ぎ上げた。
セコンドメイトは、私が行李を担ぎ上げたので、二足許り歩いた。
私は、行李を運河の中へ、力一杯放り込んだ。
「ヘッ、俺等なあ、行李まで瘠せてやがらあ。ボシャッてやがらあ。ドブンとも云わねえや。お前だって俺だって此行李と違やしないんだぜ。セキメイツ!」
行李は、ひょうきんな格好で、水を吸って沈むまでを、浮いてごみ屑と一緒に流れた。
「どうしたんだい。一体、お前気でも狂ったんじゃないのか」
セコンドメイトは、ポシャッと云った水音で振りかえってそう云った。
「首なし死体を投り込んだんだよ。ありゃ腐った臓腑だけっか入ってねえんだ。お前だって、あの行李ん中へ入ってるんだよ。俺だって、自分の行李がいらなくなりゃ、雇止めを食わさあな、ヘッ。さようなら、御機嫌よう。首なしさん。だよ。ハッハッハハ」
私は、歯を食いしばった。そして上瞼を上の方へまくし上げた。行李は私のようにフラフラしながら流れて行った。
セコンドメイトは、私が、どんなに非常識な事をいっても「憤ってはならない」と心の中で決めているらしかった。
――若し、今、こいつに火をつけたら、ダイナマイト見たいに、爆発するに決ってる。