Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんせつせん
日本プロレタリア文学集・8 葉山嘉樹集
葉山 嘉樹
Lesen Sie 日本プロレタリア文学集・8 葉山嘉樹集 (しゅんせつせん) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.935 Zeichen · 73 Bildschirme
それが暗い吹雪の夜は、況して荒涼たる景色であった。
二人の子供は、コムプレッサー、鍛冶場、変電所、見張り、修繕工場、などを見て歩いたが、その親たちは見当らなかった。
深い谷底のような、掘鑿に四つの小さい眼が注がれた。坑夫の子供ではあっても、その中へは入る事が許されなかったし、又、許されたとしても、そこがどんなに危険であるかは、子供の心にも浸み込んでいた。
「穴ん中にゃいないや、捲上小屋にいるかも知れないよ」
小林の子が、小さな心臓を何物とも知れぬ不安に締めつけられながら言った。
二つの小さな姿が、川岸伝いに、川上の捲上小屋に駆けて行くのが、吹雪の灰色の夕闇の中に、影絵のように見えた。
二人の子供たちは、今まで、方々の仕事場で、幾つも幾つも、惨死した屍体を見るのに馴れていた。物珍らしそうに見ていたので、殴り飛ばされたりした事もあった。
けれども、自分の父親が、そんな風にして死ぬものとは思わなかった。だのに、今、二人の十になる子供は、その父親の首へしがみついて、夕食の席へ連れ帰ろうとでもするように起そうとして努力していた。
が、秋山も小林も、決して、その逞しい足を動かし、その手を延ばそうとはしなかった。