Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にほんふどうき

日本婦道記

山本 周五郎

Lesen Sie 日本婦道記 (にほんふどうき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.885 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

――そう信じてもよろしいでしょうか、わたくしきっと、あなたの妻として恥ずかしくない者になります、母上さまにもできるかぎりお尽し申します、ですからどうぞそう信じさせて下さいまし、どうぞあきつを吉村家の嫁と呼ばせて下さいまし、お願いでございます。

ゆるしてやろう、そう云うこえが聞えるかと思うほど、あきつには堅い信念が湧いてきた。これで誤りはない、と思った、もうこれからはより女を欺くことにはならない、たましいとなった大三郎さまが見ていて下さるのだから、自分は今からほんとうにこの家の嫁になったのだ。心をこめて合掌祈念したのち、仏壇の前をはなれたあきつは、そのまましずかに納戸のほうへ去ったが、間もなくあの萱笠を持って戻って来た。そして、今は心から姑と呼べる気持でより女の前に坐った。

「今そんな笠などを出して」より女は訝かしそうに眼を瞠った、「……あなたどうなさるおつもりなの、あきつさん」

「おねだり申しましたの」あきつは笠の表をそっと撫でながら云った、「……わたくしに頂かして下さいましって、……旦那さまは遣ろうと仰しゃいました」

「まあ……あきつさん」

「これから畑へまいるときはわたくしこれを冠らせて頂きます、そうしたらいつもお側にいるようでございましょうから……」