Japanische Klassiker mit Furigana
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にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
Lesen Sie 日本婦道記 (にほんふどうき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.170 Zeichen · 22 Bildschirme
「だからおかや、おれはおまえに白痴の真似をやめて貰いたいのだ」
「…………」おかやは顔色を変えた。
「おまえは白痴でもなし唖者でもない、おれはそれを知っているんだ」
「…………」おかやは驚愕の余り身を震わせ、大きく眼を瞠りながら座をしさった。
「おれは知っているんだ」彼は激してくる感情を押えながら云った、「……おまえは新沼の家にいたかった、暇を出されたくなかった、それは乳呑み児を抱えて窮迫している父上から去るに忍びなかったから、けれど父上の御思案があり、そしてそれが動かし難いものだとみて、おまえはおまえなりの方法を思いついた、崖から墜ちて頭を打ったのもみせかけだし、白痴となり唖者となったのもみせかけだ、みんな新沼の家にとどまるための拵えごとなのだ。白痴になればいうことを肯かなくとも済む、唖者になれば返事をせずに済む、……他の者ならもっと違ったことを考えたろう、然しおかやはそれが精いっぱいの思案だった、そしておまえは望みを達したのだ、自分の一生を注ぎ込むことになると承知したうえで」
抑えきれなくなった感動のために、その声はよろめき、ふつふっと涙がこみあげてきた。