Japanische Klassiker mit Furigana
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にちぼつのげんえい
日没の幻影
小川 未明
Lesen Sie 日没の幻影 (にちぼつのげんえい) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.424 Zeichen · 14 Bildschirme
力なげな様子である。)
第二の見慣れぬ旅人 そうであった。私も、そのような木立を見た。筆を立てたような、さながら魂いでもあって、この疲れた沙漠を歩いている魔物のような、しかし、静かに、音を立てずに抜足して歩いているような木立であるかと思った。
第一の見慣れぬ旅人 私もそのような木立を見た。(頭を廻らして)あ、日が大分遠くなった。此処では、そのような黒い木立を認めることも出来ない。
第三の見慣れぬ旅人 然し此処は窪地である。少し高い処へ上がったら、きっとあのような黒い杉の木が、うねりうねって緩やかな波をうっているような沙漠の中に処々立っているのが見えるだろう……(足先にて立って)こうやったら見えるか知らん……。
第二の見慣れぬ旅人 ハハハハ。(と笑う。その声も広い沙漠の中で時ならぬ沈黙を破るように聞えた。)其様なことで、この沙原の遠方が見えると思われるのか……。
第三の見慣れぬ旅人 こういう沙漠にあっては三寸の高さでも余程違うものだ。たとえて見れば(彼方を指して)あの沙の小高くなっている蔭になって一寸、黒い木立の頭が覗いていたとする。吾等は、何とも思っていない。