Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

にちぼつのげんえい

日没の幻影

小川 未明

Lesen Sie 日没の幻影 (にちぼつのげんえい) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.424 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

それが一足高い処に上ると、はっきりと木立の根許まで見えるようなことがある。誰でもこういう沙原を旅した人の経験する所である。だから、変化のないようで、やはりこの疲れた沙原にも変化を求めれば、何等か求められるものだ。けれど、こういうような変化を求めても、人は黙って心のうちで頷き、承知しているばかりで口に出して言うものでない。何となれば言うのが物憂いのだ。

第二の見慣れぬ旅人 そういうことは誰にもある。心に思っていて、どうしても口に出して言うには、余りに物憂過るようなこともあるものだ。殊にこうやって毎日単調な旅をつづけている吾等には……。

第一の見慣れぬ旅人 (第二の旅人に向って)まあ、その話は、それとして、あなたは、その黒い物が木立であるまいかと思ったといわれた……それが……。

第二の見慣れぬ旅人 ああ、私は、まさしく地平線に日の光りを浴びながら、憂鬱の色を更めずにいる黒い木立であると思いました。而してそれを目標に疲れた足を早めました。すると黒い物が漸々近づいて、それがやはり人間であるように思われた。私は、それで、先ず大声を立てて呼んで見る気になった。其処で呼んで見た。