Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.467 Zeichen · 14 Bildschirme
ひどい混雑で乱暴ながら、何か皆を一まとめにしている共通の感情があった。空襲の不安、その共通の被害、明日は我身の上という寛大さ。そういうものが貫いていて、何となし火事のあとのような一種の和気があった。
六日の汽車は、二等だったせいもあろうが、みんなてんでばらばらの表情で、復員の若い水兵とその部下。中尉ぐらいの陸軍の男と何とか研究所の人間の非常に所謂練れた五十男。真白いフランネルの半ズボン、白靴、ネクタイをしめたシャツ、一寸した上被り。そういう「南方」の服装をした男、どれもつまらなそうな、其癖くよついた顔をして自分の中にとじこもっている。
そのこわれた、バラバラの、熱のさめた感じは、先夜の汽車の印象と著しい対照である。(八月十五日以来はじめて汽車にのったから)間もなく検札が来る。随分不正乗車があるらしくて気が立っている。やせて、楔形の顔に不精髭が生えゲートルをまいているのが、自分の切符入れに省線切符の使わないのが入っているのを見て「使用ずみのですか、頂きます」という。突嗟に一寸分らなくてボンヤリしていたら「回数券ですか、みんな頂きます」ととって行った。