Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうしゅじん
旧主人・芽生
島崎 藤村
Lesen Sie 旧主人・芽生 (きゅうしゅじん) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 149.813 Zeichen · 302 Bildschirme
翌々日、相川は例の会社から家の方へ帰ろうとして、復たこの濠端を通った。日頃「腰弁街道」と名を付けたところへ出ると、方々の官省もひける頃で、風呂敷包を小脇に擁えた連中がぞろぞろ通る。何等の遠い慮もなく、何等の準備もなく、ただただ身の行末を思い煩うような有様をして、今にも地に沈むかと疑われるばかりの不規則な力の無い歩みを運びながら、洋服で腕組みしたり、頭を垂れたり、あるいは薄荷パイプを啣えたりして、熱い砂を踏んで行く人の群を眺めると、丁度この濠端に、同じような高さに揃えられて、枝も葉も切り捨てられて、各自の特色を延ばすことも出来ない多くの柳を見るような気がする。「ああ、並木だ」と相川は腰弁の生涯を胸に浮べた。
「もっと頭を挙げて歩け」
こう彼は口の中で言って見て、塵埃だらけに成った人々の群を眺め入った。