Japanische Klassiker mit Furigana
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わせだだいがく
早稲田大学
尾崎 士郎
Lesen Sie 早稲田大学 (わせだだいがく) von 尾崎 士郎 (おざきしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.204 Zeichen · 220 Bildschirme
「貴様、――思いとまれ」。
「何を、――?」。
「東京行じゃよ」。
「何をいう、今になって」。
「――やっぱり、そうすべきだ、おれ一人だけで行かしてくれ」。
「だしぬけに、何じゃ、――おれが恃むに足りぬのか?」。
気色ばんだ星成の顔を見ると恒喜はぐっと膝を前に押し進めた。「おれはやる、必ずやる」。
「わかっとるじゃないか、――貴様もやればおれもやるぞ」。
「いや、貴様はいかん」。
「何故いかん?」。
「二人でやったら禍が玄洋社にかかる、じゃからこんどのことはおれに任しておけ、――おれは今日かぎり玄洋社を脱退する、そして、おれ一人になろう、星成、信じてくれ、このおれを――貴様には女房もあれば子供もある、おれは犠牲者を出したり他人に迷惑をかけたくない、そのためにおれはこっそり養家先の的野から離籍して旧姓の来島にかえる手続をしておいたよ、しかし、貴様とおれとは事情がちがう。頼む、成功しても失敗してもおれだけの責任にしてくれ」。
だしぬけの言葉にはちがいないが、来島の顔には必死の色がうかんでいる。事を決行することを約したのは星成と星成の弟の明の三人であったが、明だけはひと足先に東京へ行っていた(それに、明の方は最初から蔭の協力者となるべき立場に置かれていたのだ)。