Japanische Klassiker mit Furigana
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わせだだいがく
早稲田大学
尾崎 士郎
Lesen Sie 早稲田大学 (わせだだいがく) von 尾崎 士郎 (おざきしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.204 Zeichen · 220 Bildschirme
「おい、こっちへ来るんだ」。
西方が何か言おうとするのを見向きもしないで彼は廊下を突っ切り、左手にある傾斜の急な階段をのぼっていった。西方現助はわざと桜のステッキで床板をたたきながら、肩を怒らして階段をのぼっていった。
すぐ上が小さな会議室で、扉をあけると、西方の眼の前に一種奇妙な光景がひらきだされた。彼を案内してきた巡査よりも、ずっと上役らしい金モールの肩章をつけた巡査が窓を背にして立ち、その前に、一見して三十前後と思われる骨骼の秀でた男が、長椅子に腰をおろしたまま、立っている巡査の顔を下から睨みつけるようにして、おそろしい早口で何かまくし立てている。髭の剃りあとを青くうかばせた頬の肉が怒りにおののいて、今にもとびかかろうというかんじだった。ちらっと見た瞬間、西方現助は、そこにいるのが社会主義者の荒畑寒村であることに気がついた。半年ほど前、堺枯川が立候補したとき、本郷の大和座でひらかれた「政見発表演説会」で、演壇に立っている彼の姿をたった一ぺんだけ見たことがある。
西方がはいっていったので、荒畑もいくぶん声の調子を和らげながら、
「とにかく、おれが直接にもう一度話してみるから警視庁へ電話をかけて正力松太郎を呼べ、その上で、もし貴様たちが勝手な判断をして、おれの検束を長びかせていることがわかったら承知しない