Japanische Klassiker mit Furigana
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わせだだいがく
早稲田大学
尾崎 士郎
Lesen Sie 早稲田大学 (わせだだいがく) von 尾崎 士郎 (おざきしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.204 Zeichen · 220 Bildschirme
哀れなやつじゃ。しかし、吾輩は彼を愛する。彼は爆弾を投げると同時に短刀をぬいて自刃した。来島の最後は赤穂浪士の最後よりもすぐれている。えらい。たしかにえらい。彼は人を殺して自分だけが生きようなぞというケチな料簡は持っていなかった。赤穂浪士は不倶戴天の仇である吉良上野の首級を挙げるとすぐに何故吉良邸で割腹しなかったか。その動機においては赤穂浪士と来島とは天地霄壌の相違があるが、その結果においては来島の方が天晴れである。大久保を殪した島田一郎のごときは非凡な豪傑だったそうであるが、現場では腹を切らないで縲絏の恥かしめをうけ刑場の露と消えたのは見苦しき最後である。そこへくると来島というやつは実に眼先きの見えた悧巧なやつじゃった。吾輩を傷けるために、わざわざ外務省門外の狭いところを選んだごときは馬鹿では到底出来る芸当ではない」。
大隈は、彼のすぐ左側に席を占めていた坪内逍遥をふりかえって、
「のう、坪内君」。
と、だしぬけに呼びかけた。「君は小説家だからよく覚えておく方がいい。ああいう狭い道を通るときには厭でも馬車を徐行させなけりゃならんからな、――あそこに眼をつけたところがなかなかいい。