Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじげきだん ランプのもとにて
明治劇談 ランプの下にて
岡本 綺堂
Lesen Sie 明治劇談 ランプの下にて (めいじげきだん ランプのもとにて) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.283 Zeichen · 329 Bildschirme
二月三日の月曜日の午後に、わたしは編集局へ顔を出すと、編集長の渡辺亨君がすぐにわたしを呼んで、きょうは千歳座の招待日であるから見物に行ってはどうだと言った。そうして、茶屋は武蔵屋であるから、そこへ行って日報社から来たといえば、いいように案内してくれる。別に費用は要らない、茶代の五十銭も用意していれば沢山であると、一々委しく教えてくれたので、わたしはすぐに日報社を出て、銀座から千歳座まで人力車に乗って行った。千歳座は今の明治座で、銀座からの人力車が六銭であった。
招待の見物ということについてわたしは何も知らないので、どんなことになるのかと思いながら、かの武蔵屋に乗り付けると、茶屋の若い衆はわたしが新聞社から来たというのを聞いて、丁寧に案内して西の桟敷へ送り込んでくれたが、芝居はもう三幕ほども済んだところであり、その桟敷にはもちろん一面識もない人たちばかりが大勢坐っているので、わたしは小さくなって後ろの方にかしこまっていると、やがて若い衆は菓子と口取と酒などを持って来てくれた。狂言は「有松染相撲浴衣」――有馬の猫騒動と「扇屋熊谷」とで、小野川喜三郎と熊谷が訥子、雷電為右衛門と扇屋上総が照蔵、敦盛が源平、召仕お仲が鬼丸、小野川の母と姉輪が猿十郎という役割で、猫の乗りうつったお仲の狂いを鬼丸は得意そうに演じて