Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
Lesen Sie 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.713 Zeichen · 54 Bildschirme
いつもの通り中から一応カギをかけたが、五分ほどすぎてから跫音を殺して出てきて、
「コンコンと熟睡だ。だが、これは何だろう? 北のドアから誰かが一度はいったのかな。特に変ったこともないが、感じが何かをささやくような問題だ。これは伊助の落し物かも知れないな」
それはツケヒゲのようであった。しかし伊助は来たときもツケヒゲなぞはつけていなかった。
「こんな物が落ちていたのですか」
「マア、マア、気にかけるな」
大伍は笑って行ってしまった。
この日はたしかに変っていた。午後になっても、変った訪問者が絶えなかったからである。十二時をややまわったとき、川田秀人が馬車を走らせてやってきた。
川田は全作の唯一と云ってよい友人であった。銀行の副頭取だが、古美術では人後に落ちない趣味家であった。
川田が全作を訪ねてくるのは、たいがい土曜日の夜だ。夜の七時から十時まで。それが全作の面会時間だから、土曜日以外に来ることがあっても、午ごろ来るようなことはない。一同のいぶかしむ顔色に川田は笑って、
「病人に会いに来たんじゃないよ。大伍君で間に合う話のようだが、なかなか云ってきかせてくれない人だね。