Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
Lesen Sie 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.713 Zeichen · 54 Bildschirme
とにかく気にかかるから、来てみたよ。言ってきかせてくれないと夜にまた出直してくるよ。今日銀行からひきだした金の使い道が気にかかるね。あの金額は気がかりの金額だね。思い当ることが、なきにしもあらずだね」
川田もそれ以上のことは云わなかった。この言葉によると、大伍が伊助を待たせておいて出かけたのは、川田の銀行へ金をひきだしに行ったもののようだ。気がかりの金額とは多額を意味することでもあろう。大伍は笑っただけで返答しなかった。
川田は二日前の土曜の晩も遊びに来ていた。その晩、病床のまわりに集ったのは、川田と大伍のほかに妙子がいたし、ややおくれてサナエ夫人も雄一をつれて良人の病床を見舞いに来た。もっとも雄一がねむたがるので、おそく来て、誰よりも先に去った。サナエの訪問はいつもそんな風だった。笑いを忘れた顔から病人を慰める言葉がでる筈もなかった。お義理だけだが、彼女の加入は一座をしめッぽくするというマイナスのオマケまでついていた。
土曜の晩、月曜の早朝に五万円ひきだすからよろしく頼むということを全作が川田に云ったのを妙子はたしかに聴いていた。当時の五万円といえば、利子だけでも生涯中流の生活ができるほどの大金であるから、前もって了解を得ておかないと当日窓口が即座に支払ってくれないほどの金額でもあった。