Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

Lesen Sie 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.713 Zeichen · 54 Bildschirme

Aozora Bunko

彼女は冷静にこう答えた。

「別に思い当ることは前日まではありません。その当日はいろいろのことが変っていました。伊助さんの訪問、習慣の変化もそうですが、伊助さんの来訪をまつ旦那様は生き生きとしていました。もっとも、それは兇事の前ぶれではなく、私は良い事の前ぶれだと思っていました。ですから、カギが盗まれたとナミ子さんが蒼くなって起しにきた時にも、私は兇事を考える必要はないと思っていたのです。とにかく、殺人が夜間に起らなくてシアワセでした。私は見かけほど気が強くはないのです」

最後によびだされたのはオトメであった。その日人が死ぬことがなぜ分ったかという問いに、答えはカンタンであった。

「神様のお告げですよ。あの人が私の云うことをきいて、私をよんで、オイノリをあげて下さいと仰有れば、こんなことは起りません。神様がついております。神様が親切に教えて下さるものを、あの人がそれを素直にきいて私の言葉を信じないから、こうなります。自業自得ですよ」

「ドアの前や庭なぞでオイノリをあげたそうだが、きかなかったようですね」

「そうですとも。本人がその心掛けで、神様におすがりしようとしないから、きく筈はないじゃありませんか。