Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

Lesen Sie 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.486 Zeichen · 57 Bildschirme

Aozora Bunko

なるほど、そんなワケがあったか、と楠はうなずき、

「で、加十さんの今の身持というのは、勘当が許されそうな身持でしょうか」

「さ、それだな。加十の身持も知りたかろうが、加十がどこでどんな姓名で暮しているか、それさえも親類の者が知らないそうな。杉代が遺言で誰かに加十の居所姓名をもらしているかも知らぬ。もしも誰かにもらしたとすれば、亭主平作か、妹のお直だ。杉代とお直は子供の時から気の合った仲で、その為に平作にたのみお直の子の能文に学資を与えて三百代言に仕立てさせて、自分の娘と夫婦にしたほどだ。同じように平作の娘の一人と一しょになり、同じように学資をだしてもらって三百代言に仕立てられた人見角造だが、これは出入りの貧乏トビの子。人間を血のツナガリで区別する平作の目にはムコになっても他人は他人。妹ムコの小栗能文にくらべると、姉ムコの人見角造が万事につけて割がわるく、他人なみに扱われているのだな。あの鬼のウチでは他人の距てはどうにもならん。オレがどんなに忠義な番頭でも、他人は他人だ。そういうウチだぜ。その家風は連れ添う女房杉代にもしみついている。血のツナガリの深く温くない者に後事を託す筈はない。