Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
Lesen Sie 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.486 Zeichen · 57 Bildschirme
お直は後家だった。亭主が死んだのは十五年も昔のことで、杉代の助力もあったが、女手一ツで四人の子供を育てた。子供が大きくなって、どうやら今では楽になったが、その日の食物にも困るような苦しい暮しが長くつづいたのである。
楠は自分の身分を天心堂に語ったのと同じウソでお直に自己紹介。勘当中の加十の動勢をその実家へ問い合せに行くわけにいかないからと言い訳をのべると、苦労にやつれた後家の人の好さ。
「今まで良くまア催促もせず黙っていて下さいましたね。御親切に加十さんをかばって、勘当の許されるのを待っていて下さる気持は本当にありがとうござんすよ。ですが、残念ながら、私も居所を知りません」
「易者の天心堂さんの話では、こちらだけがそれを御存知だとのことでしたが」
「あの男が才川さんに働いていたころまでは私も加十さんの居所を知っていたんですよ。実はね。杉代姉さん存命中は、姉さんと加十さんの通信は私のところが中継所だったんです。姉さんの依頼で加十さんの様子を見に行ったことも七八回はあります。ところが姉さんがなくなる際にこれを旦那に打ちあけたものですから、旦那はひそかに私をよんで、お前はもう加十のことは忘れなさい、あとは私がするから、という静かだが厳しいお達しですよ。