Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
Lesen Sie 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.755 Zeichen · 62 Bildschirme
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久五郎と小花は今はのこされた唯一のもの、芝の寮へ移りすんだ。女中のハマ子だけが、自分の荷物をぶらさげて一しょについてきた。女中はいらないからと小花がことわったが、
「いいわよ。タダで働いてあげるわ。私の食費もだしていいわ。気が変れば、どこかへ行っちゃうから、それまで置いてね」
もう友達同士のような口々きいて、なれなれしいものだ。見たところ十六七の小娘に見えるが、実は二十二、小花よりも二ツも年長なのだ。すでに友達と見たせいか、本当の年齢を打ちあけた。
「二十二だって! お前、奉公のとき十七ッて云ったじゃないの」
「へへ」
「いやらしいウソつきね。じゃア子供を三人ぐらい生んでるのでしょう」
「そうは見えないでしょうねえ」
と落着き払ったものである。小娘だと思っていたときはフテブテしいイヤらしいところが目立って見えたが、本当の齢を知ってみると、それもうなずける。それになんとなく頼もしい感じもするから、総てのものに見放されて孤立してしまったような境遇にハマの存在は力づよく思われもした。兄と妙なことになりそうな不安はあるが、破産した今となっては、あのマヌケのオタンチン野郎に不足の女房ですらもないらしいではないか。