Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

Lesen Sie 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.522 Zeichen · 46 Bildschirme

Aozora Bunko

なに、オレの実子だなどと笑わせるな。オレはあんなバカな子供を生んだ覚えはないな。こッちがわが子とは思わないのに、わが子と称する怪物は尚のこと万が一にした方が清々としてよろしいようなものだ。

志道軒はこう考える。酒の酔いにつれて益々殺意がたかぶるにきまっている。

左近は一万円と久吉をつれて自分の部屋へひきこもる。四名の男と一名の女が酔っ払って一室にのこる。この夜、この機会を失えば、実の兄弟、父子といえども、再び一室に宿泊するはおろかなこと、たまたま同席するたった十分間の機会があるかどうかも疑わしい。

左近は夢中にのびあがって倉三の耳に益々口を近づけて、手の障子をかたく張りまわして、

「ナマズと出前持は八千円のことで酔えば酔うほど気が気じゃないぞ。その八千円はナマズのフトコロにあるが、明朝までには出前持に七千八百五十円貸すか貸さぬかきめなければならんな。出前持はその金を借りなければ牢屋へ入れられるからこれは一生の大事だからな。ミネにしてみれば、二人の子供のどちらにもいいようにしてやりたいが、自分がその金を盗んだフリをして井戸へでも飛びこむかなア。タイコモチと女郎屋を殺してしまえば、二人の子供によいかも知れんが、久吉がオレと一しょに別室にいては一度にカタがつかなくてこまる。