Japanische Klassiker mit Furigana
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ひるのおつきさま
昼のお月さま
小川 未明
Lesen Sie 昼のお月さま (ひるのおつきさま) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.365 Zeichen · 3 Bildschirme
「万歳!」と、いう声が、どこか遠くの方から、きこえてきました。
「兄ちゃん、停車場だね、また、兵隊さんが出征するんだよ。」と、良二が、いいました。
「いってみようか、良ちゃん。」
兄の太郎は目をかがやかして、青々とした、秋の空を見やりました。
「ばんざい、ばんざあい。」と、いう声が、また、きこえました。
「兄ちゃん、いこう。」
二人は、往来を駅の方に向かって、駈け出したのです。電線の上に、白い月が、ぽかりと浮かんでいました。これを見つけた、良二が、
「なあんだ、いま時分、お月さまが出ているよ。」と、走りながら、笑いました。
「ああ、苦しい。良ちゃん、ちっと休もうよ。」と、太郎が、いいました。
「兄ちゃん、僕より、弱虫だなあ。」
「だって、僕、こんなげたをはいているんだもの。」
太郎は、げたで、良二は、運動ぐつをはいていました。やっと停車場へ着くと、もう出征の兵士は立ってしまった後とみえて、あたりは、しんとしていました。たすきをかけた、国防婦人の人たちの姿も見えませんでした。事変がはじまってから、毎日のように、この駅から出征兵士が立ったので、駅の入り口には、白い布へ、「祝壮途」