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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(一)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.663 Zeichen · 97 Bildschirme

Aozora Bunko

泥鮫でないと聞いて、半七はすこし的がはずれた。彼はゆうべ伊勢屋へ押し込んだ浪人者と、きょう泥鮫を売りに来た武士とを、結びつけて考えることが出来なくなってしまった。

「どうも判らねえ」

なにしろもう午に近くなったので、半七は熊蔵を連れて近所へ飯を食いに行った。

「あのお吉の奴は、よっぽどあの武士の一人にござっているらしいな」と、半七は笑いながら云った。

「そうです。そうです。それですからどうも巧く行かねえんですよ。あいつ思うさま嚇かしてやりましょうか」

「いや、おれも好い加減おどかして置いたから、もうたくさんだ。あんまり嚇かすと却って碌なことはしねえもんだ。まあ、もう少し打っちゃって置け」

二人は銜え楊枝で帰って来ると、一人の若い武士が湯屋の暖簾をくぐって出るのを遠目に見つけた。彼はさっき日蔭町へ泥鮫を売りに行った武士に相違なかった。彼は萠黄の風呂敷につつんだ一個の箱のようなものを大事そうに抱えているらしかった。

「あ、野郎が来ましたよ。あの箱を一つ抱え出したらしゅうがすぜ」と、熊蔵は眼をひからして伸び上がった。

「ちげえねえ。すぐ尾けてみろ」

「よがす」

熊蔵はすぐに彼のあとを尾けて行った。