Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
それに就いては少し思い当ることもあるので、かれは松葉いぶしの下手人の疑いを平太郎の上に置いた。そうして弟の仇を取るために、その方面にむかって探索しようと決心していると、その宵には妹のお徳が何者にか傷つけられた。かさねがさねの禍いに彼はいよいよ焦燥って、もう一度その実否をたしかめるために、今夜もこの寺内に忍び込んで、長次郎より一と足さきに墓場にかくれて、自分の弟の墓のかげに夜のふけるのを待っていたのであった。
さすがは商売人だけに、長次郎は足音をぬすむに馴れているので、善吉もそれには気がつかなかった。お竹の足音はすぐに判ったので、彼はその近寄るのを待ち受けて、とうとう彼女を取り押えた。しかしその曲者が十四の小娘であったのは、彼に取っても意外の事実であったらしく、善吉はいたずらに眼をみはって、松明の下にうずくまっているお竹の姿を見つめていた。
「お前はここへなにしに来た」と、長次郎は先ずお竹に訊いた。
「姉の墓まいりに……」
「そんならなぜ垣をくぐって来た」
「お寺の御門がもう閉まって居りましたから」と、お竹は小声ながらはっきりと答えた。
「むむ、子供のくせになかなか利口だな」