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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(二)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme

Aozora Bunko

それでも其の人はなんにも云わないで、おとなしく悄々と出て行きました。もっともお津賀さんにかかっちゃあ大抵の男はかなわないかも知れませんよ」

「そのお津賀さんというのは家にいるかえ」と、半七はうしろを見返りながら訊いた。

おなじ裏長屋でもお津賀の家は小綺麗に住まっているらしく、軒には亀戸の雷除けの御札が貼ってあった。表の戸は相変らず錠をおろしてあるので、内の様子はわからなかった。

「ゆうべから帰って来ないようですよ」と、女房はまた笑った。

「で、どうだい。隣りの富蔵とおかしいような様子はないかね」

「そりゃあ判りませんね。あの人のことですから」

「そうだろう」と、半七も笑った。「いや、日の短けえのに手間費えをさせて済みません。さあ、亀。もう行こうぜ」

女房に挨拶して、ふたりは露路の外へ出た。

「親分。不思議なことがあるもんですね」

「むむ、広い世間にはいろいろのことがある」と、半七はうなずいた。「だが、まあ、ここまで足を運んだ効能はある。それでもう大抵見当は付いたが、今度はその鬼っ児の出どころだ。いや、それもすぐに判るだろう。それでお前の方はもう年明けらしい。おれは脇へ廻るからここで別れようぜ」