Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
わたしから桂庵の方へ掛け合ってあげてもいいが、ともかくも証文を反古にするというのは穏かでない行き方ですから、なんとかほかの段取りにしてみましょう。そのお通という娘のことばかりでなく、こりゃあ私の方でも少し調べて見にゃあならねえことですから、まあ、私に任せてください。桂庵は相模屋ですね」
「外神田の相模屋でございます」
「お徳には心配するなと云ってください。二、三日のうちに何とかしましょうから」
「なにぶんお願い申します」
くれぐれも頼んで、平兵衛は帰った。
二
午飯を食ってから半七は三河町の家を出て、外神田の相模屋をたずねると、桂庵でも彼の商売を知っているので、素直に奉公人の出入り帳を出してみせた。この正月の末にお通を目見得にやった奉公先は向島の寺島村の寮で、この寮の主人は霊岸島の米問屋の三島であることが判った。
この頃は諸式高直のために、江戸でもときどきに打毀しの一揆が起った。現にこの五月にも下谷神田をあらし廻ったので、下町の物持ちからはそれぞれに救い米の寄付を申し出た。そのときに彼の三島では商売柄とはいいながら、一軒で白米二千俵の寄付を申し出て世間を驚かしたことを、半七はまだ耳新しく記憶していた。