Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
「そこで、その娘がどうした。殺されたか」
「殺されたには相違ねえんだが……。そいつが啖い殺されたんですよ」
「化け猫にか」と、半七は笑った。「いや、冗談じゃあねえ。ほんとうに啖い殺されたのか」
「ほんとうですよ。なにしろわっしの隣りですからね。こればかりは間違い無しです」
庄太の報告はこうであった。
今から半月ほどまえの宵に、馬道の鼻緒屋の娘で、ことし十六になるお捨というのが近所まで買物に出ると、白地の手拭をかぶって、白地の浴衣を着た若い女が、往来で彼女とすれ違いながら、もしもしと声をかけた。なに心なく振りかえると、その女はうす暗いなかで薄気味のわるい顔をしてにやにやと笑った。年のわかいお捨は俄かにおそろしくなって、返事もしないで一生懸命に逃げ出した。勿論それぎりの話で、その若い女はまさかに幽霊や化け物でもあるまい、おそらく気ちがいであろうという噂であった。
それから又五、六日経つと、更におそろしい出来事が起った。やはり同じ町内の酒屋の下女で、今年二十一になるお伝というのが、裏手の物置へ何か取り出しにゆくと、やがてきゃっという声をあげて倒れた。その悲鳴を聞きつけて、内から大勢が駈け出してみたが、薄暗い灯ともし頃で、そこらに物の影もみえなかった。