Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
ある人々はそれを臆病者の噂と聞き流して、いわゆる高箒を鬼と見るたぐいに過ぎないと冷笑っていた。しかもそれから又十日と経たないうちに、強い人々もいよいよ臆病者の仲間入りをしなければならないような事件が重ねて出来した。鬼娘が又もや一人の女を屠ったのである。それは山の宿の小間物屋の女房で、かれは誰も知らない間に、裏の井戸端で啖い殺されていた。勿論それも同じ鬼娘の仕業であることに決められてしまった。
諸人の不安がだんだん募って来た時、鬼娘は更に第三の生贄を求めた。それは庄太のとなりに住んでいるお作という娘であった。庄太の家はかの酒屋から遠くない露路のなかで、そこには裏店としてやや小綺麗な五軒の小さい格子作りがならんでいた。庄太の家は露路の口から四軒目で、隣りの長屋にお作という娘が母のお伊勢と二人で暮らしていた。その奥は空地になっていて、そこには大きい掃溜めがあった。昔から栽えてある大きい桜が一本立っていた。お作は浅草の奥山の茶店に出ているが、そのほかに内々で旦那取りをしているとかいうので、近所の評判は余りよくなかった。そんな噂もあるだけに、母子はいつも身綺麗にして、不足もないらしく暮らしていた。