Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
まず人を啖い殺すやつは獣物だな」
「そうでしょうか」
「人を啖うばかりじゃあねえ。そこらで鶏がたびたびなくなるという。勿論、鬼娘が見あたり次第に相手を取っ捉まえて、人間でも鳥でも構わずに、その生血を吸うのだと云えばいうものの、どうもそうとは思われねえ。ちょいと、これをみてくれ」
半七は袂をさぐって、鼻紙にひねったものを出すと、庄太は大事そうにあけて見た。
「こんなものをどこで見付けたんですえ」
「それは露路の奥の垣根に引っかかっていたのよ。勿論、あすこらのことだから何がくぐるめえものでもねえが、なにしろそれは獣物の毛に相違ねえ」
「そうですね」と、庄太は丁寧に紙をひろげて、その上にうず巻いているような五、六本の黒い毛を透かすように眺めていた。
「まだそればかりじゃあねえ。垣根の近所には四足のあとが付いていた。と云ったら、犬や猫のようなものは幾らも其処らにうろついているというだろうが、おれはちっと思い当ることがあるから、こうして大事に持って来たんだ」
半七は彼の耳に口をよせてささやくと、庄太は幾たびかうなずいた。
「そうかも知れませんね。ところで、鬼娘の方はなんでしょう。