Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
「いや、この降るのに気の毒だが、ちっと調べて貰いたい御用がある。この頃、茅場町に変な奴があるのを知っているか」
「へえ」と、半七は首をかしげた。
「尤も、この頃は変な奴がざらに転がっているから、唯そればかりじゃあ判断がつくめえ」
岡崎はちょっと笑い顔をみせたが、又すぐにまじめになった。
「変な奴の正体は女の行者だ。案外に年を食っているかも知れねえが、見たところは十七か十八ぐらいの美しい女で、何かいろいろの祈祷のようなことをするのだそうだ。まあ、それだけなら見逃がしても置くが、そいつがどうも怪しからねえ。女がいい上に、祈祷が上手だというので、この頃ではなかなか信者がある。この信者のなかで工面のよさそうな奴を奥座敷へ引き摺り込んで、どう誤魔化すのか知らねえが、多分の金を寄進させるという噂だ。男だけならば色仕掛けという狂言かとも思うが、そのなかには女もいる。いい年をした爺さんも婆さんもある。それがどうも腑に落ちねえ。いや、まだ怪しからねえのは、そいつが京都の公家の娘だと云っているそうだ。冷泉為清卿の息女で、左衛門局だとか名乗って、白の小袖に緋の袴をはいて、下げ髪にむらさき縮緬の鉢巻のようなものをして、ひどく物々しく構えているが、前にもいう通り、容貌は好し、人品はいいので、なかなか神々しくみえるということだ。