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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(二)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme

Aozora Bunko

「いえ、一々お取り次ぎは、かえってお願いの筋が通り兼ねるかとも存じます。御用でございましたらば、わたくしから直々に申し上げます」

「いや、そのような失礼があってはならぬ」と、式部はさえぎった。「おたずねのこと、お答えのこと、すべて拙者がうけたまわる。して、こなたの母御は当年何歳で、なんの年の御出生でござるかな」

「母は六十で、戌年の生まれでございます」と、半七は答えた。

「ふだんから何かの御持病でもござるか」

「別にこれということもございませんが、二、三年前から折りおりに癪に悩むことがございます」

「左様でござるか。では、これから御祈祷にかかられます」

式部はうながすように行者の顔色をうかがうと、彼女は形をあらためて神前に向き直ろうとした。その時、半七は再び声をかけた。

「恐れながら申し上げます。この御祈祷におかかり下さる前に、わたくしの御奉納物を一度おあらためを願いたいと存じますが……」

「なんと云わるる」と、式部は少し眉をよせた。「こなたが奉納の品を一応あらためてみろと云われるか」

「どうぞお願い申します」

行者はなんにも云わなかった。式部はすぐに起ちあがって、神前に一旦供えたかの白木の箱を取りおろしてしずかにその蓋をあけると、かれの顔色がにわかに変った。