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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(二)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme

Aozora Bunko

「ここらの蕎麦は江戸の人の口には合いますまいよ。わたし達は御用ですからここらへも時々廻って来るので、仕方無しにこんなところへもはいりますが、それでも朝から駈けあるいて、腹が空いている時には、不思議に旨く食えますよ。ははははは」

「そうですね。江戸者は詰まらない贅沢を云っていけませんよ」

こんなところから口がほぐれて、半七と鳥さしとは打ち解けて話し出した。外の雨はまだ止まないので、二人は雨やどりの話し相手というような訳で、煙草を喫いながらいろいろの世間話などをしているうちに、半七はふと思い出したように訊いた。

「おまえさんは千駄木だと仰しゃるが、御組ちゅうに光井さんという方がありますかえ」

「光井さんというのはあります。弥左衛門さんに金之助さん、どちらも無事に勤めていますよ。おまえさんは御存じかね」

「その金之助さんというお方に一度お目にかかったことがありました。まだ若い、おとなしいお方で……」と、半七はいい加減に答えた。

「はあ、おとなしい人ですよ」と、老人はうなずいた。「組中でも評判がいいので、ゆくゆくはお役付きになるかも知れません」

その金之助がまかり間違えば切腹の大事件を仕でかしていることを、鳥さしの老人は夢にも知らないらしかった。