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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(二)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme

Aozora Bunko

二人は涙を流して一あまりも意見して、どうにかこうにか主人の決心をにぶらせた。

「お父っさんがああ云うのも無理はないけれど、今だしぬけにそんなことをされちゃあ、この津の国屋の店もどうなるか判らないからねえ」と、お藤はあくる朝、むすめのお雪にそっと話した。

この話をきかされて、文字春は肚のなかでうなずいた。津の国屋の主人が隠居して頭を刈り丸めようとする仔細も大抵さとられた。おそらく菩提寺の住職に因果を説かれて、お安の死霊の恨みを解くために、俄かに発心して出家を思い立ったのであろう。女房や番頭がそれに反対したのも無理はないが、見す見す死霊に付きまとわれて津の国屋の店をかたむけるよりも、お雪に然るべき婿を取って自分は隠居してしまった方が、むしろ安全ではあるまいかとも思われた。しかし、そんなことを滅多に口にすべきものではないので、彼女は黙ってお雪の話を聴いていた。

五

それから五、六日経つと、津の国屋の女中のお米がまたおどされた。それはやはりかのお松が怪しい女に出逢ったのと同じ刻限で、かれも町内の湯屋から帰る途中であった。その晩は雨がしとしと降っていたので、お米は番傘をかたむけて急いでくると、途中で足駄を踏みかえして鼻緒をふっつりと切ってしまった。