Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
師匠、あらためて礼をいうぜ、そんなことはちっとも知らなかった」
仕出し屋から誂えの肴を持ち込んで来たので、文字春はすぐに酒の支度をした。
「こりゃあ気の毒だな。こんな厄介になっちゃあいけねえ」と、常吉はこころから気の毒そうに云った。
「いいえ、ほんの寒さしのぎにひと口、なんにもございませんけれど、あがってください」
「じゃあ、折角だから御馳走になろう」
二人は差し向いで飲みはじめた。その間に、文字春は津の国屋の一件について、自分の知っているだけのことを残らずしゃべってしまった。女中のお角は自分が世話をしたんだということも打ち明けた。これも常吉の注意を惹いたらしく、彼はときどきに猪口をおいて考えていた。なんだか残り惜しそうに引き留める師匠をふり切って、彼は半※(「日+向」、第3水準1-85-25)ほどの後にここを出た。
「まだ御用がたくさんある。いい心持に酔っちゃあいられねえ。また来るよ」
彼は幾らかの金をつつんで、文字春が辞退するのを無理に押しつけるようにして置いて行った。霰はまだ時々にばらばらと降っていた。常吉はその足で再び津の国屋へ引っ返して、なにかの手伝いをしている大工の兼吉を表へ呼び出して、お安のことをもう一度訊きただした。