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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(二)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme

Aozora Bunko

雨の音が又ひとしきり強くきこえた。

「よく降りますね」と、老人は雨の音に耳をかたむけながら又云い出した。「今もお話し申した雀合戦、蛙合戦のほかに螢合戦、蝶合戦などというのもあります。螢合戦もわたくしは一度、落合の方で見たことがあります。それから蝶合戦……。いや、その蝶合戦について一つのお話がありますが、まだお聴かせ申しませんでしたかね」

「まだ伺いません。聴かしてください」と、私は一と膝のり出した。「その蝶合戦が何か捕物に関係があるんですか」

「大ありで、それが妙なんですよ」

これが口切りで、わたしは今夜もひとつの新らしい話を聴き出すことが出来た。

万延元年六月の末頃から本所の竪川通りを中心として、その附近にたくさんの白い蝶が群がって来た。はじめは千匹か二千匹、それでも可なりに諸人の注意をひいて、近所の子ども等は竹竿や箒などを持ち出して、面白半分に追いまわしていると、それが日ましに殖えて来て、六月晦日にはその数が実に幾万の多きに達した。なにしろ雪のように白い蝶の群れが幾万となく乱れて飛ぶのであるから、まったく一種の奇観であったに相違ない。

「蝶々合戦だ」