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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(二)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme

Aozora Bunko

こうして、はじめの七日は無事に済んだが、たなばた祭りもきのうと過ぎた八日の朝になって、善昌は突然に仏前の御戸帳をおろした。今までは何人にも拝ませていた光明弁天の尊像をむらさきの帳の奥に隠してしまったのである。これは夢枕に立った弁財天のお告げで、今後百日のあいだは我が姿を人に見せるな、その間にわざわいの日は過ぎてしまうとのことであったと、善昌は説明した。そうして引きつづいて護摩を焚き、祈祷を行なっていたのであるが、それから三日と過ぎ、四日と経つうちに、誰が云うともなしにこんな噂がまた伝わった。

「御戸帳のなかは空だ。弁天様はなくなってしまったらしい」

信者のなかでも有力の三、四人がその噂を気に病んで、諸人のうたがいを解くために、たとい一と目でもいいから御戸帳の奥を覗かせてくれと交渉したが、善昌は頑として肯かなかった。本尊の秘仏を厨子に納めて、何人にも直接に拝むことを許さない例は幾らもある。おまえ方のうちに浅草観世音の御本体を見た者があるか、それでも諸人は渇仰参拝するではないか。百日のあいだは我が姿を人にみせるなというお告げにそむいて、みだりに奥をうかがう時は、仏罰によって眼が潰れるか、気が狂うか、どんなわざわいを蒙らないとも限らない。