Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(二)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme

Aozora Bunko

「むむ、これから筑波颪でこの橋は渡り切れねえ」と、七兵衛はうす明るい水の上を眺めながら云った。「もうじきに白魚の篝が下流の方にみえる時節だ。今年もちっとになったな」

こう云っている彼の袂を勘次はそっとひいた。七兵衛がかれの指さす方角に眼をむけると、ひとりの女がうつむき勝ちに歩いていた。

「蔵前の化け猫じゃあねえか」と、七兵衛は小声で訊いた。

「そうですよ。どうもそうらしいと思いますよ」と、勘次もささやいた。「わたくしは商売ですから、一度乗せた客はめったに忘れません。この間の晩、猫になったのはあの女ですよ」

「おれもそうらしいと思っている。少し待ってくれ。おれが行って声をかけるから」

七兵衛は引っ返して女のあとをつけた。広小路寄りの橋番小屋のまえまで行った時に、かれは先廻りをして女の前に立って、小屋の灯かげで頭巾をのぞいた。

「若先生。先夜は失礼をいたしました」

女はちょっと立ち停まったが、そのまま無言でゆき過ぎようとするのを、七兵衛は追いすがって又呼んだ。

「内田の若先生。あなたも槍突きの御詮議でございますかえ。とんだ御冗談をなさるので、世間じゃあみんな化け猫におびえていますよ」