Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
「どんなことだ」
「妹のお年ちゃんの方は今でも毎日文字春さんのところへ御稽古に来るんですが、なんでも先月頃から五、六度お年ちゃんが来て稽古をしているのを、窓のそとから首を伸ばして、じっと内を覗いている娘があるんですって」
「十七八の、色白の可愛らしい娘じゃあねえか」と、半七は喙を容れた。
「よく知っているのね」と、お粂は涼しい眼をみはった。「その娘はいつでもお年ちゃんの浚っている時に限って、外から覗いているんですって。変じゃありませんか」
「それは何処の娘だか判らねえのか」
「そりゃあ判らないんですけれど、ほかの人の時には決して立っていたことが無いんだそうです。なにか訳があるんでしょう」
「むむ。訳があるに違げえねえ。それでおれも大抵判った」と、半七はほほえんだ。
「もう一つ斯ういうことがあるんです。文字春さんの家の近所に馬道の上州屋の隠居所があるんです。あのお年ちゃんという子は、上州屋から容貌望みで是非お嫁にくれと云い込まれているんだというじゃありませんか。その話はなんでも先月頃から始まったんだということです。ねえ、その先月頃から文字春さんの家のまえに立って、窓からお年ちゃんを覗いている女があるというんですから、その娘はきっと上州屋の隠居所へ来る女で、そっとお年ちゃんを覗いているんだろうと思うんです。