Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.865 Zeichen · 432 Bildschirme
五人の墓はみんなこの寺内にあるんだね」
「そうですよ。先祖代々の墓がみんなこの寺内にあるんだからね。ところが、どうも困ったことが出来てね」
「なんだ。何が困るんだ」と、長次郎はそこに束ねてある枯れ枝の上に腰をおろした。
「小女郎がやっぱり悪戯をするらしい。毎晩のようにやって来て、五人の墓の前に立っている新らしい塔婆を片っぱしから引っこ抜いてしまうんですよ。花筒の樒の葉は掻きむしってしまう。どうにもこうにも手に負えねえ。初七日を過ぎてまだ間もねえことだし、親類の人達だって誰が参詣に来ねえとも限らねえから、あまりこう散らかして置いてもよくねえと思って、毎朝わしが綺麗に直して置くと、毎晩根よく掻っ散らして行く。こっちも根負けがしてしまって、きのうも佐兵衛どんの兄貴が来た時にその訳をよく話して、もうそのままに打っちゃって置くつもりですよ。けさはまだ行って見ねえが、きっとやっているに相違ねえ。小女郎もあんまり執念ぶけえ。五人の命まで奪ったら、もういい加減に堪忍してやればいいのに……。生霊や死霊とは違って、あの小女郎ばかりは和尚様の回向でも供養でも追っ付かねえ。ほんとうに困ったもんですよ」