Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
「じゃあ、仕方がない。また出直して来ましょう」
「御苦労さまでございます」
「河豚がたいそう干してありますね」と、半七は店を出ながら云った。
「はい。太鼓の皮に張りますので……」
「ここの息子も太鼓を売りに出るのかえ」
「はい。店の方が思わしくございませんので、まあ小遣い取りに出て居ります」
「菊園の子供は河豚の太鼓を売る奴にさらわれたという噂だが……」
「まあ、本当でございますか」と、女房は眼をみはった。
「ここの息子が連れて行ったのじゃあねえかえ」と、半七は冗談らしく云った。
「飛んでもない……。うちの佐吉がどうしてそんな事を……。佐吉が万一そんな事をしましたら、親父が承知しません。わたくしも承知しません。あいつの首へ縄をつけて、菊園のお店へ引き摺って行きます。おまえさんは一体どこの人からそんな噂を聞いたのです」
激しい権幕で食ってかかられて、半七も少し困った。
「いや、噂も何もない。冗談だ、冗談だ。本気になって怒っちゃあいけねえ」
笑いにまぎらせて、半七はそこを出ると、弥助もつづいて出た。
「あの嬶、むやみに怒りましたね」
「むむ。あの嬶、まったく正直で怒るのかどうだか。