Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
隣りの古道具屋の亭主の話によると、幸斎はきのうの午過ぎから店をしめて出たとの事であった。
「そうして、いつごろ帰って来た」と、半七は訊いた。「どこへ行ったとも云わなかったか」
「出るときには、ちょいと出て来るから頼むと云いましたが、別にどこへ行くという話もありませんでした」と、亭主は答えた。「日が暮れてから帰って来て、それから一ほども経つと、ひとりの女が来たようでした」
「どんな女が来た……」
「頭巾をかぶって居りましたので……」
商売が商売であるから、白雲堂へは占いを頼みに来る男や女が毎日出入りをする。殊に女の客が多い。したがって、隣りの古道具屋でも出入りの客について一々注意していないのであった。暗い宵ではあり、女は頭巾を深くかぶっていたので、その人相も年頃もまったく知らないと、亭主は云った。それも無理のない事だとは思ったが、ゆうべたずねて来た女があると云うのが半七の気にかかったので、彼はかさねて訊いた。
「それから、その女はどうした」
「さあ、なにぶん気をつけて居りませんので、確かには申し上げられませんが、小さい声で何か暫く話して居りまして、それから帰ったようでございました」