Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
半七は更にその人相や身なりを詳しく訊きただして、ここを出た。それから水野和泉守屋敷の辻番所へ行って、やはりこの一件について前後の模様を聞き合わせたが、かたき討と称する浪人者は屋敷の大竹藪をくぐって逃げたに相違ないと云うのである。半七も恐らくそうであろうと鑑定した。
それから千駄ヶ谷の谷町へ引っ返して、米屋の下総屋をたずねると、手負いの金右衛門は奥の間に寝かされていた。為吉とお種の兄妹も暗い顔をして控えていた。下総屋は五年ほど前からここに開業したもので、土地では新店の方であるが、商売の仕方が手堅いというので、近所の評判は悪くなかった。主人の茂兵衛は金右衛門と同年配の三十九で、おととしの暮れに女房に死に別れ、その後はまだ独り身である。店には米搗きの安兵衛、藤助のほかに、銀八、熊吉という若い者二人と、利太郎という小僧ひとりを使っている。台所働きの女中はお捨と云って、金右衛門らと同村の生まれである。
これだけのことを調べた上で、半七は店さきで茂兵衛と立ち話をはじめた。
「金右衛門は別に他人から恨みを受けるような心あたりはねえかね」
「ございません」と、茂兵衛ははっきり答えた。