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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(五)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme

Aozora Bunko

殊にわれわれのような商売の者は、剣もほろろに追い払われるに決まっていますから、いわゆる盲の垣のぞきで、外から覗くだけで内輪の様子はちっとも判りません。これには全く閉口です」

「今でも華族の家庭の事なぞは調べにくいのですから、昔は猶更そうでしたろうね」

「見す見す武家の屋敷内に大きい賭場が開けているのを知っていても、町方の者が踏み込むことの出来ない時代ですから、大きい旗本屋敷に関係の事件なぞは、自由に手も足も出ません。それでも何とかしなけりゃあならないから、出来るだけは働きましたよ。まあ、お聴き下さい」

二

文久元年二月なかばの曇った朝である。浅井一家の人々がこの世の名残に眺めた砂村の下屋敷の梅も、きのうきょうは大かた散り尽くしたであろう、春の彼岸を眼のまえに控えて、なま暖い風が吹き出した。

八丁堀同心、拝郷弥兵衛の屋敷の小座敷で、主人の拝郷と半七とが額をあつめるように摺り寄ってささやいていた。

「いいか、牛込水道町の堀田庄五郎、二千三百石、これは浅井因幡守の叔父だ。それから京橋南飯田町の須藤民之助、八百石、これは因幡の弟で、須藤の屋敷へ養子に貰われて行ったのだ。