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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(五)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme

Aozora Bunko

取り分けてお信は真蒼な顔をして居りました」

「娘はそれっきり来ねえのだね」

「春になっては一度も参りません。去年の暮れに顔を見せましたのが一生の別れでございます」と、お富はまた泣き出した。

お早とお信が、ここでどんな密談を遂げたのか。この二人はそもそも敵か味方か。帰るときに二人の顔色が悪かったのはどういうわけか。それは容易に解き難い謎であるので、半七もさすがに思案に悩んだ。

「その日はまあそれとして、その前に娘から何か聞き込んだことは無かったかえ」と、半七はまた訊いた。

「いえ、お屋敷内のことに就きましては、娘は別になんにも申しませんでした」

この時、突然、奥の襖をあけて、五十前後の男が姿をあらわした。

「いらっしゃいまし。わたくしは植木屋の長五郎でございます」と、彼は半七の前に手をついて丁寧に会釈した。「親類に不幸がございまして、昨晩から手伝いに参って居りまして、只今ちょいと帰って参りました」

彼はさっきから戻って来て、女房と半七との問答を偸み聴いていたらしかった。それを察して、半七は向き直った。

「今もおかみさんと話していたところだが、今度の一件について何か入り組んだ訳がありそうだが……」