Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.744 Zeichen · 434 Bildschirme
大吉はなんだか気になると見えて、そこにある下駄を突っかけて露路の外まで追って出たが、少女の姿はもう見えなかった。
「あの子はどこの子だろう」
大吉はまだ頻りに考えていたが、他の人々は甚蔵と同様、それに格別の興味も注意もひかなかったので、話はそのままに消えてしまった。流行病いであるから、あしたは早朝に死体を焼き場へ送る筈であったが、この頃は葬式が多いので棺桶が間に合わない。よんどころなく夕方まで延ばすことにして、係り合いの人々は怖るべきコロリの死体を守りつつ一日を暮らした。
この日の午後である。三十前後の男が関口屋の店さきに立った。
「ここの裏に年造という大工がいますかえ」
「その年造さんはコロリで死にました」と、店の者が答えた。
「コロリで死んだ」と、その男はすこし慌てたように云った。「そりゃあ飛んでもねえ。そうしていつ死んだね」
「きのうの午過ぎに……」
「やれ、やれ」と、男は舌打ちした。
葬式はまだ済まないというのを聞いて、男は急いで露路のなかへ駈け込んだ。彼は線香の煙りのただよう門口から声をかけた。
「もし、年造は死んだのかえ」
「きのう亡くなりました」と、入口にいた大吉が答えた。